俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
勇大とは前の会社に勤めていた時に仕事を依頼して知り合った。

彼は昨年転勤となり今も九州支店に勤めているはずなのでこの仕事で関わることはないけれど、会社名を聞くと顔が浮かんでしまうので嫌だった。

(どうしているんだろう。運命の女性と結婚した?)

相手方を待っている間、つい勇大のことを考えてしまった。

運命の女性はたしか二十代半ばの同じ部署の社員だと言っていた。後輩だが、転勤したばかりの勇大に色々と教えてくれて恋仲に発展したそうだ。

『梨乃のそういう可愛げのないところが無理なんだ。悪いけど彼女の方が女として魅力的だ。式場のキャンセル料も慰謝料も払うから、別れてくれ』

男性を立てるような気遣いがあり、甘え上手の褒め上手らしい。その女性と比較されて深く傷ついたのを思い出し、思わず顔をしかめた。

「宮内さん、どうしたんですか?」

ミーティングテーブルに並んで座っている木村に声をかけられ、ハッと我に返った。

(嫌な顔をしていたらNCPグループの担当者に失礼だ。私情を挟まないようにしないと)

木村に向けて作り笑顔で首を横に振った時、ノックの音がした。

「どうぞ」と声をかけ、梨乃と木村が立ち上がる。

ドアが開いて現れたのは前回も会った山田という名の四十代の男性で、彼が連絡の窓口となっている。その後ろにもうひとり、担当者がいて――。

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