俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「そうです。牧本は昨年転勤になったばかりだったのですが、鈴木の入院の他にも欠員が出まして急遽呼び戻した次第です。クライフさんとのこの件が終わるまでこちらにおりますのでどうぞご心配なく。これ以上の担当者変更はないとお約束いたします」

「わかりました……」

担当者を変えてほしいと喉から出かかっている気持ちをグッと押さえ、仕事だと割り切ろうとする。

「牧本さん、よろしくお願いします。それでは始めましょうか。どうぞお座りください」

打ち合わせの四十分間はまるで真冬の屋外にいるような雰囲気だった。やるべきことはやったが、笑顔で和やかに話すのは不可能だ。

勇大はどうでもいい存在になったと思っていたのに、会ってしまうと重苦しい感情が蘇り平常心ではいられなかった。

「ご足労いただきありがとうございました。次回は二週間後にと考えているのですが、ウェブ会議にしましょう。進捗状況の確認だけですので」

山田だけを見て意向を伝えた。

「承知しました。宮内さん、あの」

「はい」

「懸念がございましたら遠慮なく仰ってください。できる限りの対応はさせていただきます」

山田が気まずそうな笑みを浮かべている。会話がそれなりに弾んだ前回と梨乃の雰囲気が大きく違って感じたようだ。

そうなるのも仕方ない事情はあるけれど、申し訳なく思って無理して笑顔を作った。

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