俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
もう落胆したくないので母や兄弟、友人などを予想し、ローテーブルから携帯を手に取った。

けれどもその予想も外れていた。画面には久しぶりに見る勇大のアイコンが表示されていて、顔をしかめる。

(連絡してこないでよ)

仕事で関わることになったのは彼も予想外だったはずだ。

不義理な別れ方をしたのだから多少は後ろめたいはずで、できれば梨乃に会いたくなかっただろう。

(嫌だけどここは割り切って仕事では協力しよう、とか言いたいの?)

今日は驚きと動揺でテンションを下げてしまったので、そういう対応はやめてほしいという苦情だと予想してメッセージを開いた。

【今日の件、俺が担当で驚かせてすまなかった。言い訳すると東京に呼び戻された時点では、梨乃との仕事だと思わなかった。クライフ社に就職したのも知らなかったんだ】

(言い訳したかっただけか)

【わかってる。私も嫌な態度をとってごめん。次からは普通に対応できるから安心して】

【ありがとう。梨乃には迷惑をかけるけど、正直に言うと会えて嬉しかった】

(なに言ってるの……?)

眉根を寄せ、『嬉しかった』の文字を二度三度と読み返した。

担当者を変えてほしいなどと言われないために、少しでも関係をよくしようと企んでいるのだろうか。

【そういうのはいらない。普通に対応すると言ったでしょ。言いがかりをつけて担当から外してほしいとは言わないから】
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