俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
妹相手に本気で喧嘩をふっかけてくる兄と生意気で絶対に謝らない弟に挟まれて育ったので、梨乃も負けん気の強い性格になったのかもしれない。

今はそれぞれひとり暮らしをしており、両親が住んでいる実家に集まるのは年に二回ほどだ。

ここ数年は兄弟喧嘩はなく大人の対応ができるようになったと思っていたのだが、婚約破棄された話を両親から聞いた弟が梨乃のSNSアプリに大笑いしているスタンプを送ってきた。

そういう事情なので、木村のような可愛いタイプの男性とチェンジしたくなる。

「入りましょうか?」

照れている木村を促してミーティング室に足を踏み入れた。

八畳ほどの広さで、十人掛けのテーブルが置かれている。

これから木村がリーダーを務めるプロジェクトの打ち合わせがあり、それぞれ別の部署から六人の社員が集まると聞いている。

室内には先に着席している女性がひとりだけいて、目が合うなり「あっ」と驚かれた。

梨乃も一拍遅れて同じ反応になる。

「梨乃?」

「うん。美波だよね。懐かしい。何年振り?」

「十五年くらいかな」

顎下までのショートボブの髪は落ち着いた茶色で、スッキリとした顔立ちの彼女は高校時代の同級生だ。

お弁当を一緒に食べる仲だったが、美波は海外の大学に進学したのでそこで交流が途絶えた。

まさかこの会社にいたとは嬉しい驚きである。

「菅(すが)さんとお知り合いでしたか」
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