俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「大体の事情はわかったんですけど私の勘違いもあるかと思いますので、差し支えなければ電話の相手とのトラブルを聞かせてくれませんか?」

打ち明けるのは恥ずかしいと思ったが、気になったままにしてふぐちりに集中できなくなれば気の毒だ。浮かした腰を椅子に戻し、簡単に事情を説明した。

「というわけなんです。自宅には帰れないので、今日はビジネスホテルに泊まろうと思います」

「今日はそれでいいとしても、明日からはどうするんですか?」

「私もそれで悩んでいまして」

「誰か頼れる人はいないんですか?」

なぜか黒見の顔が浮かんで焦る。

(担当秘書と話しているから浮かんできただけだよ。黒見CEOに頼めるわけないから)

「いません」と目を逸らして答えると、五ノ森が一拍黙ってから頷いた。

「私には助けてあげることはできませんが、力にはなれると思います。少し待っていてください」

そう言って五ノ森が席を立ち、外へと出ていった。

(助けられないけど力になれるって、どういう意味?)

窓ガラス越しに携帯を耳にあてている五ノ森の後ろ姿が見えた。

わけがわからないまま待っていると、すぐに店内に戻ってきた彼が隣に座った。

「十五分ほどここでお待ちください」

「あの、どこかへ電話をかけていたようですけど、なにが始まるんですか?」

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