俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
(不思議。さっきまで途方に暮れていたのに、今は根拠もなくなんとかなりそうな気がしてる。黒見CEOがそばにいてくれるだけですごく心強い)

「美味しかったです。ごちそうさまでした」

満腹と安心感で心地いい。食後はソファに移動し、コーヒーを出してもらった。

「酒の方がいいか?」

「いえ、飲まないです。この前のように酔って寝てしまうと困るので」

彼の前で酔って寝落ちしてしまった出張の夜を思い出し、恥ずかしくなる。

笑ってごまかそうとしたが、黒見はつられてはくれない。真剣な目を向けられて緊張感を取り戻した。

あとから淹れた自分の分のコーヒーカップを手に、近づいてきた彼が隣に腰を下ろした。

ソファはふたつあるのに真横に座られて心臓が波打つ。

(身構えなくていい。なにもしないと言ってたもの)

ひと口飲んだコーヒーカップをテーブルに置いて彼が言う。

「今夜はうちに泊まればいい。だから寝てしまっても問題ないが――」

「えっ……?」

黒見に会えて嬉しくてここへ来たが、ビジネスホテルに泊まるつもりでいた。

そこまでお世話になれないと言う前に黒見が続ける。

「まずは対応を決めよう。元婚約者のストーキングの件だ。五ノ森から大体の事情は聞いたが、事実確認をしたいから俺にも詳しく話してくれ」

「あの、ストーキングではないです。自宅前での待ち伏せで、今回が初めてです」

< 191 / 238 >

この作品をシェア

pagetop