俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
そう前置きしてから復縁要請の話をした。

「運命だと言っていた彼女と別れたそうで、仕事で再会したことで今度は私に運命を感じたようです。運命の相手が何人いるのかというツッコミはしましたけど、諦めてくれません」

重たくならないよう冗談を交えて話したのに、黒見の眉間の皺が逆に深まった。

「NCPグループの社員だったのか。俺から社長に連絡を取ろう。お前の元婚約者に厳重注意をしてもらう。もちろん担当からも外してもらうつもりだ」

「ま、待ってください。それだと勇大――いえ、牧本さんを追い詰めてしまいます」

「かばうのか?」

未練があるのかと言われた気がし肩を揺らした。

よりを戻したいとは少しも思わないが、五年も交際した相手なので少しは情がある。

不幸になってほしいと思わないし、仕事も奪いたくない。自分とは無関係の場所で別の女性と新しい恋愛をしてほしいと思っていた。

その気持ちを話せば甘いと言われそうなので、他に言い訳を探す。

「かばいたいわけじゃないです。黒見CEOの力を借りるのは卑怯な気がして、後ろめたい気分になります。それに厳重注意の結果、もし牧本さんが退職するようなことがあれば、止める手段がなくなります。そうなると、もっと執着される恐れもあります。今後も復縁を迫るようなら会社に報告する、という脅しの方が効果的ではないでしょうか」

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