俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
本心を探るような視線を向けられても目を逸らさなかった。

動悸がどんどん加速するのは、うまくごまかせたかどうかという心配より恋心の影響の方が大きいかもしれない。

ひと月ほども顔を見られなかったから、見つめ合えるこの時間が愛しくてたまらく胸が高鳴った。

「前の恋に未練はないです。私が好きなのは黒見CEOですから」

あふれそうな恋心が自然と口から洩れた。

目を見開いた彼を見て、急に恥ずかしくなり顔に熱が集中した。

思わず顔を背けたが、すかさず黒見の手が顎先にかかり顔の向きを戻される。

最高潮に高まる自分の鼓動を耳元で聞きながら、至近距離にある美麗な瞳と視線を絡めた。

「本気なのか?」

唇の動きは色っぽいが、半信半疑の口調で言われた。

「本気です。でも黒見CEOと交際する自信がないんです。うまくいく気がしなくて……」

「なぜ?」

「私は強くないです。どちらかというと、あなたが苦手としているタイプかもしれません」

打ち明けたことで彼の気持ちが離れていくかもしれない。それでも騙してつき合うようなことはしたくないし、そんな恋愛はすぐに壊れて泣くのは自分である。

黒見に助けられたくないと強がって見せたが、本当はしばらく連絡がこないだけで落ち込むような弱い女なのだ。

どういう心境で助けられたくないと言ったのかを打ち明けて、彼の反応を待った。

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