俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「母親にはいつも恋人がいた。一緒に暮らした男も何人かいる。生活費を男に頼っていたんだ。男の機嫌を取って甘え別れ話になれば泣いて縋る、そんな母親にうんざりしていた。今でもたまにあの時の母親を夢に見てうなされる」

胸の奥がズンと痛む。

(お母さんが嫌いなんだ。そんな暮らしだったなら仕方ないか)

「アメリカの大学を選んで家を出てからは母親に会っていない。今後も会うつもりはない。母親を軽蔑しているから、似た言動をとる女性には嫌悪感を覚える。逆に言えば、自分の力でしっかりと生きていて、恋愛に振り回されていない女性は魅力的だと思う。俺の好みはそんなところだ」

母親について語った彼の眉間には深い皺が刻まれていて、それを指でほぐしている。

「つらい生い立ちを話してくださってありがとうございました。やっとわかりました。黒見CEOがどういう恋人を求めているのかが。ただ私、それを聞いてもやっぱり自分ではないと思うんです」

黒見が険しい顔をする。

(この恋、私だって本当は叶えたいけど……)

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