俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「一緒に過ごす時間を増やすにはそれが最善だ。牧本のストーキングも防げる。このマンションは警備員とコンシェルジュが常駐しているから、エントランスでの待ち伏せは不可能だ」

「でも、そこまでお世話になるわけには――」

「頼む、守らせてくれ。この提案が飲めないなら、牧本を九州支社に戻すようNCPグループの社長に働きかけるしかない」

(担当から外れて九州に戻ってくれたら安心できるけど、大事にはしたくない)

話したいと待ち伏せられただけで、危害を加えられたわけではない。

数日、梨乃が帰宅しなければ、復縁は無理だと諦めてくれる可能性もある。

大事にして勇大を追い詰めたいとは思えなかった。

それは本心だが、黒見との同棲を自分に納得させるための言い訳のようにも感じる。

(ここに住みたいと思うのは、もっと一緒にいたいからだ。そっちの理由の方が大きいかも)

「しばらくお世話になります。よろしくお願いします」

頭を下げると、黒見がホッとしたように微笑んだ。

それだけで鼓動が高まるのに、手を握られてときめきが加速する。

「ルールをひとつ決めていいか?」

「はい。もちろんです」

「ふたりの時は名前で呼んでくれ。対等でいたいから敬語もなしだ」

たしかに家の中でも上下関係を感じるとくつろげないだろう。

梨乃もそう思ったので、少し緊張しながら彼の名前を呼んだ。

「将吾さん」

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