俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
ギリギリだと既に他の予定を入れられてしまい集客率が下がる。早すぎるとイベントの存在を忘れられてしまう。それが二か月前という判断の根拠で、一般的によく言われていることだ。

けれども黒見の低い声が響く。

「三か月前にしろ」

「すみません、同じ告知を三か月続けるのはどうでしょうか。うんざりされて逆効果かと私は思います」

「飽きられるほど目に留まると思うか? 保険会社のイベント告知に興味を示す高校生は少ないだろう。しつこいくらいがちょうどいい。頻度も多めにしろ」

「承知しました」

納得したので黒見の指示をノートパソコンに打ち込む。他の社員も同じようにしていた。

この先は大丈夫だと判断したのか、黒見はすぐに席を立って出ていった。

きっとこのあともどこかの部署のミーティングに顔を出すのだろう。突然参加して内容を瞬時に理解して指示できるのもすごいし、それを日課としているタフさにも敬服するばかりだ。

「はぁ、緊張した……」

閉まったドアに向けて呟くと、他の三人に笑われる。

「わかります。心臓に悪いですよね」

「私もビクッとしちゃいます。何年経っても慣れません」

「CEOの顔を知らない新入社員の時、メンバーに名前がない人が突然入ってきたのに誰も声をかけないから戸惑ったんです。私だけが見える透明人間なのかと思ってちょっと怖かったです」

< 204 / 238 >

この作品をシェア

pagetop