俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
そのミーティングが終わってさらに数時間が経った。

三十分だけ残業し、電車で今自宅に帰ってきたところだ。

玄関ドアを開けるとセンサーで廊下の奥まで照明がついた。彼の革靴がないのでまだ帰宅していないのだろう。

(将吾の方が早いと思ったのに)

帰り際に彼から一緒に帰らないかと誘うメッセージを受け取ったが断った。

黒見は高級車を自分で運転して通勤している。行きも帰りも時間が合う時は乗せてやると言われたけれど、社員に見られるのが心配で一度も同乗したことがない。

社屋から少し離れた場所で乗降すればいいと提案されても、もしもを考えると頷けなかった。

(将吾は隠す必要がないと思っているから、私の気持ちがわからないんだろうな。帰ってきたら誰にも言わないように、もう一度釘を刺しておこう)

それを言うのは五度目なので、いい加減にしつこいと思われそうだが。

シンプルなルームワンピースに着替えてリビングに入り、エプロンを着てキッチンに立つ。

同棲を始めてまだ日は浅いが、平日は早く帰宅した方が料理をするというルールができつつあった。彼は急な会食や接待もあるので、そういう時は連絡してくれる話になっている。

なにを作ろうかと考えながら冷蔵庫を開けていると、黒見が帰宅した。

「ただいま」

「おかえり」

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