俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
美麗な顔立ちで涼しげなのに力強い目をしており、全身から自信を醸し出しているその人は――。

(うそっ!?)

間違いない。ニューヨークのバーラウンジで出会った彼だ。

「黒見CEOです」

木村が小声で教えてくれる。近づいてくる彼との距離は三メートルほどで、木村は頭を下げたが梨乃は驚きの中で立ち尽くしていた。

(この会社のCEOなの?)

黒見も梨乃に気づいた様子でその目を見開いたが、一瞬だけだ。

すぐに冷静な顔つきに戻って足を止めず、声をかけてくることもなく横を通り過ぎた。

「宮内さん、どうしました?」

顔を上げた木村に声をかけられて、ハッと我に返った。

「頭を下げそびれてしまいました。CEOがあんなに若い方だと思わなくて」

「黒見CEOは三十六歳だと聞いています。僕も最初は若さに驚きました。創始者の家系ならわかりますけど、まったく違うそうですから。米法人で勤めていた時に大きなプロジェクトをいくつも成功させて向こうのCEOに見込まれたそうですよ。すごい人ですよね」

憧れているのか、木村がうっとりした顔をしている。

「あっ、僕は誰にでもすごいと言ってるわけじゃありませんよ。宮内さんのことも本気で尊敬していますので」

褒めてくれても、心ここにあらずの心境だ。

(どうしよう。すごく気まずい)

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