俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
執務室は入って右側にL字のデスクがあり、左側に六人掛けのミーティングテーブルを置いている。装飾品はなく、機能的でスタイリッシュな設えだ。

黒革の執務椅子に腰かけてパソコンを開き、メールを確認する。

三十件ほど届いているメールをひとりで捌くことはしない。自分でなければならないものだけ残し、他は十二人いる重役に転送して午前中の業務を終わらせた。

(昼食には少し早いな。あの件の報告を今、聞いておくか)

内線電話をかけた先は秘書課で、黒見の担当秘書と話す。

「例の件、調査は終わっているか?」

『はい』

「執務室にいる。今から見たい」

『承知いたしました』

秘書課もこの階にあり、受話器を置いて一分足らずでドアがノックされた。

「五ノ森(ごのもり)です」

「入れ」

「失礼いたします」

入室した秘書は黒見と同じ歳の男性だ。

高身長の細身で手足が長く、細淵フレームの眼鏡とネイビースーツが似合っている。顔立ちはクールで秘書としての能力は高い。

当然のことながら礼節をわきまえているが、ドアを閉めてふたりきりになるなり口調を崩された。

「俺は興信所じゃないぞ」

五ノ森隆矢(たかや)とは友人関係にある。小学校から高校までが同じで、大学から先は黒見がアメリカに住んでいたので会わなかったが連絡は取り続けていた。

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