俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
五年ほど前、クライフの日本法人のCEOに就任が決まった時に、とある商社で社長秘書をしていた彼に黒見の方から声をかけた。

『俺の秘書をやらないか? 遠慮なく使える気心が知れたやつがいい』

そのように誘うと『将吾(しょうご)の手下になる気はない』と眉根を寄せられたが、口説き落として最終的には握手を交わしてくれた。

お互いに相性がいいと思っているから今の関係がある。

五ノ森が執務机に歩み寄り、将棋指しのような手つきでUSBメモリーを置いた。

「今後は気になる女の調査は自分でやってくれ。秘書業務の範囲を超えてるだろ」

「対象が社員だから範囲内だ」

「家柄まで調べさせておいてなにを言う」

友人の不満をクッと笑って流し、USBメモリーをノートパソコンに刺した。

「へぇ……」

画面に表示されているのは、宮内梨乃についての調査報告書だ。

履歴書にも記載がある学歴職歴の他に、前職での仕事ぶりも書かれている。

国内で名のある保険会社に新卒から七年勤め、今と同じマーケティングの部署にいたようだ。

それに関連する資格をいくつも持っており、勤勉性が窺える。

一昨年、成約率の高さで業界から注目された保険イベントがあったのだが、彼女が主軸となって企画したものらしい。

前職での肩書は係長で、出世街道を走っていたのが読み取れた。

(辻褄は合う)

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