俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
弊社を選んだ理由が、前職での経験と資格を生かしたいからだという面接時の志望動機に不自然さはない。

次に家族の職業を見る。父親は元国家公務員で定年退職しており、母親は都内の自宅で習字教室を開いている。

兄は商社勤めで弟はシステムエンジニア。黒見が失脚してもなんの得もない一家だとわかった。

元婚約者についても簡単に調べてあり、黒見も名を知っている広告代理店の九州支社で勤務していると書かれていた。

ホテルのラウンジで梨乃がアメリカ人男性に話していた内容と相違ない。

(本当に偶然だったのか?)

先週、社内で彼女を見かけて驚いた。

ニューヨーク出張で助けた女性との再会を偶然だと思えず、すぐに調査を指示した。

過去に黒見の失脚を狙って女性を近づけられたことがあったからだ。

若いCEOなので古参の社員たちには妬まれている。

大胆な戦略を数々展開しているからか、同業他社の上層部にも疎ましく思われているようだ。

CEOに就任が決まった時に『君は運がいい』と直接言ってきた社内の取締役もいた。

米法人での黒見の血のにじむような努力と多大なる功績を知らない者ほど嫉妬する。

運も実力の内だという言葉を知らないのだろう。

(待て。安心するのはまだ早い)

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