俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「失脚を狙っている奴らの指金ではないと俺も思うが、恋愛目的で近づいてきた可能性は?」

「珍しく弱気だな。自分に気があると思えないと動けないのか? 好きになったなら、デートに誘って直接聞けよ」

からかわれたのだとわかっているが、スルーしてコーヒーカップを手に取った。

「そうだな、直接聞くのが早い。嘘をついているかどうかは話せばわかる」

「おい、俺の意見にツッコミはないのかよ」

「くだらないからな」

USBメモリーを抜き取ると、廃棄するように言って五ノ森に返した。

「昼食は外で取る。隆矢も行かないか?」

「仕方ないな。寂しがり屋の上司に付き合ってやるよ」

「評価がおかしい。お前を人事にだけは異動させられないな」

「俺を異動? できないことを言うなよ。お気に入りをそばにおいて安心したいくせに」

黒見のことは熟知していると言いたげに、五ノ森が含みのある笑い方をした。

(否定できないな)

世の中は敵だらけだ。笑顔で握手を交わしながら、腹の中ではナイフを握っている人間もいる。

だから信用できる五ノ森は貴重な存在で、この仕事を続ける限り手放す気はない。

(もう少し、信用できる者を増やしたいんだが)

そう思うとまた梨乃の顔が頭に浮かび、首を傾げた。

まだ完全に白だと判定していないのに、なぜ彼女がその候補に上がるのかわからない。

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