俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
そのチェックを終えると、今度は半月分の広告効果の分析結果ファイルを開く。

これは梨乃が昨日の終業時間近くに完成させたもので、ざっと見直してからチームリーダーに送信した。

この部署の総員は四十八名で、数人ずつのチームで動いている。

それぞれが同時に複数のチームをかけ持つため、なかなか忙しい。

入ったばかりの梨乃も今週から三つのチームに所属していた。

そのうちのひとつは宇津木(うつき)という名の三十一歳の女性がリーダーを務めていて、このファイルの送信先が彼女だ。

始業時間となり、全員が揃った。

朝会での全体指示は五分で終わり、三十分後のチームミーティングが始まるまでデスクワークを続けようとしていると、隣から影が差した。

振り向くと、宇津木が腰に手を当てて立っている。

アイラインを濃く引いた迫力のある目に発色のいい赤いリップ。

巻いた長い髪をラフに結わえ、タイトスカートのバックルはハイブランドのロゴがあしらわれている。

梨乃と同じくらいの中背だと思うが、八センチほど高さのあるハイヒールのせいでかなり上から見下ろされている感覚だ。

(不機嫌そうだけど……私、なにかした?)

「宇津木さん、おはようございます。先ほど分析結果を送りました。確認していただけました?」

「見たから来たのよ。一体なにを使って計算したの?」

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