俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
責めるような口調だがミスをした覚えはなく、戸惑いながらもパソコン画面に計算分析ツールを表示させた。

「こちらですが」

「なにこれ? 知らないソフトを使わないで」

眉根を寄せられて驚く。発売から半年ほどと割と新しいソフトだが、高品質で評判がよくマーケターなら当然使っていると思っていた。

「本当に知らないんですか?」

思わず聞き返すと癇に障ったようで、古い計算分析ツールの名を強めに言われた。

「私のチームではそれを使うのが常識だから。やり直して」

「お言葉ですが、こちらの方が信頼度が高いです。古いツールで計算していては結果に不安があります。効果を読み違える可能性も――」

「誰に向けて言ってるの? 宮内さんが前の会社でどれだけやれていたのか知らないけど、企業規模が違うのよ。マーケター歴も私の方が二年長いし、役職も上。なによりリーダーの指示に従うのは当然でしょ」

宇津木は係長に相当するセクションマネージャーという肩書だ。

梨乃も前の会社では係長職だったが今はもちろん平社員で、宇津木に従わなければならない立場である。

「勝手なことをしないで」

「わかりました。ご指定のものを使って分析し直します」

ハイヒールの足音が遠ざかると、心の中で不満を言う。

(勝手にやったわけじゃないけど)

所属している別チームのリーダーは宇津木よりも役職が上だ。

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