俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
その人に計算分析ツールの確認をした際に、いくつかのソフトの名を挙げてくれた。

どれを使ってもいいと言ってくれたので宇津木に確認しなかったのだが、部署全体に浸透している決まりではなかったようだ。

(前の職場と業務内容はほぼ同じなのに、こういう面でつまずくのか)

慣れるまでは少し面倒だと思う一方で、注意事項が多いのは宇津木に対してだけのような気もしている。

先週、座席の定位置を知らずに座った梨乃に、冷たい笑顔でどけるよう言ったのも彼女だった。

(まぁ、人間同士だから合わない人もいるよね。あまり気にしないでおこう)

午前中はデスクワークとチームミーティングをふたつこなして終わり、昼休みになる。

コートを着てポケットに財布と携帯を入れて部署を出た。

足取りが軽いのは、友人の美波と外でランチをする約束をしているからだ。

事業部でバリバリ活躍中の美波は忙しそうで、一緒にランチをするのは今日が初めてだ。

込み合うエレベーターを避けて階段で一階まで下りると、ロビーで美波を見つけた。

「お待たせ」

同時に笑顔になり、社屋を出る前からすでに楽しい。

(昔に戻った気分)

外は雪が降りそうなほど寒く、曇り空の下を急ぎ足で進んで近くにある商業ビル内のイタリアンレストランに入った。

おしゃれな店内は若い女性が多く、七割ほどの席が埋まっている。

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