俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
空いていた窓際のふたり掛けのテーブル席に向かい合い、メニューを広げた。

パスタとサラダとフォカッチャ、飲み物とデザートがついたランチセットがお薦めのようだが、二千五百円と少々高めに感じる。

たまにならいいと思うことにして、ふたりでそれを注文した。

店員が下がると、美波に聞かれる。

「マーケティング部はどう? うまくいってる?」

「仕事内容で困ることはないけど、人間関係はどうだろう」

今朝の宇津木とのやり取りを思い出して苦笑した。

注意事項が多そうな彼女の名は出さなかったのに、美波に気づかれる。

「宇津木さんのこと? あの人、ひと癖あるよね」

「どうしてわかったの?」

「私は一度しか一緒に仕事をしてないけど、有名だもの」

「どんなふうに?」

悪口大会を開くつもりはなく、宇津木の人となりを知りたいだけだ。

彼女の情報をより多く持っていれば対応がうまくなり、トラブルを回避できると考えた。

美波が店内を見回して見知った顔がいないのを確かめ、声まで潜める。

「美人だけど高飛車って言われてる」

二十代の頃の宇津木は男性社員からモテていたが、デートの申し込みはことごとく断っていたそうだ。

「それだけで高飛車なイメージが着いたの?」

気の毒に思ったが、違うらしい。

「断り方がちょっとね。『私と釣り合うと思っているなら失礼よ』こんな感じなんだって」

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