俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
失恋から立ち直ったばかりなので当分、恋はいらないとも思っている。

それならどんな理由かと考えてみたがわからず、適当な理由で納得しようとした。

(私が宇津木さんと合わないと感じているからかも。黒見CEOほどの男性には、性格も文句なしで素晴らしい女性を選んでほしいという気持ちかな。ん? ということは私、男性としての彼を随分と高く評価していることになるけど……)

ニューヨークではお世話になり感謝しているが、結構厳しい言葉もかけられた。

もう少し優しく励ましてほしかった気もする。

「梨乃は黒見CEOに会ったことある?」

美々しい黒見の顔を思い出していると、問いかけられてハッと我に返った。

「あ、あるよ。美波と再会した日に廊下で見かけただけだけど……」

そう言いながらも、彼にホテルの部屋まで送られた時の突然のキスを思い出していた。

あれは誰にも話せない。今のところ心配していた左遷の話はないが、もし梨乃がうっかり口を滑らせて黒見と噂になってしまえば処分されそうな気がした。

(まぁ、宇津木さんと違ってそんなにモテたことないし、黒見CEOにキスされたと自分から言いふらしたところで誰も信じないかもしれないけど)

「CEOの元カノだったんだ。それなら高飛車になってしまうのもわかる気がする」

続きを食べ始めたが、またしてもフォークが止まった。

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