俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
意思まで奪われてはたまらないので、顔を背けて彼を見ないようにした。
「そういうのは困ります」
「なるほどな。これで最後の懸念は消えた」
(懸念って?)
なにに納得されたのかわからないが、顔の横から腕が外された。
さらには「戻っていいぞ」と淡白に言って背を向けられ、ポカンとした。
(待ってよ。なにがしたかったの?)
左遷や退職勧告ではなく、ニューヨークでのキスの口止めでもない。
それどころかまたしても迫ってきて、梨乃が拒むとなにかに納得して急に素っ気ない態度を取る。
(なにこれ。嫌がらせ?)
あまりにも訳が分からないので、梨乃を翻弄して楽しんでいるのかと腹立たしく思った。
執務机に戻ろうとしている広い背中に呼びかける。
「お待ちください。どうして私を呼んだんですか? 黒見CEOのご用件がわからず、少々混乱しております」
五歩ほど離れた位置で足を止めた彼が、顔だけ振り向いた。
怒りを込めて強気な視線をぶつけているのに、なぜかフッと微笑まれる。
「偶然にしてはできすぎていると思い、お前を疑っていた。ニューヨークで俺に助けさせたところから入社しての再会までに、企みを感じたんだ。俺は敵が多い。過去には失脚を図られたこともあるから懐疑的になる」
(つまり、台本ありきで私が出会いから仕組んだと言いたいの?)
腹立たしさを忘れるほど予想外の呼び出し理由だ。
「そういうのは困ります」
「なるほどな。これで最後の懸念は消えた」
(懸念って?)
なにに納得されたのかわからないが、顔の横から腕が外された。
さらには「戻っていいぞ」と淡白に言って背を向けられ、ポカンとした。
(待ってよ。なにがしたかったの?)
左遷や退職勧告ではなく、ニューヨークでのキスの口止めでもない。
それどころかまたしても迫ってきて、梨乃が拒むとなにかに納得して急に素っ気ない態度を取る。
(なにこれ。嫌がらせ?)
あまりにも訳が分からないので、梨乃を翻弄して楽しんでいるのかと腹立たしく思った。
執務机に戻ろうとしている広い背中に呼びかける。
「お待ちください。どうして私を呼んだんですか? 黒見CEOのご用件がわからず、少々混乱しております」
五歩ほど離れた位置で足を止めた彼が、顔だけ振り向いた。
怒りを込めて強気な視線をぶつけているのに、なぜかフッと微笑まれる。
「偶然にしてはできすぎていると思い、お前を疑っていた。ニューヨークで俺に助けさせたところから入社しての再会までに、企みを感じたんだ。俺は敵が多い。過去には失脚を図られたこともあるから懐疑的になる」
(つまり、台本ありきで私が出会いから仕組んだと言いたいの?)
腹立たしさを忘れるほど予想外の呼び出し理由だ。