俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「これまで好意を持って寄ってくる女性たちが大勢いてお困りだったのかもしれませんが、私を同じ括りに入れないでください」

「俺には興味がないと言うのか?」

「失礼ですが、その通りです。交際相手を自由に選べるほどの魅力が私にないのは自覚しています。そんな私でも好みはありますので。見た目や地位ではなく、お互いに思い遣りを持って一緒にいられる人柄のいい男性を選びます」

「俺は人柄が悪いと言いたいのか?」

「どのように捉えるかはお任せいたします」

作り笑顔を向けると、彼がまた近づいてきた。

(言いすぎた……?)

再び一歩の距離で向かい合う。

美々しい真顔に怯みそうになり、それに耐えて視線を外さずにいると彼がフッと笑った。

(なに?)

「それが本来のお前か。メソメソ泣いていた時には気づかなかったが、いい女だ」

「へっ……?」

唐突に褒められて素っ頓狂な声が出た。

「気に入った。俺と付き合わないか?」

思わず目が点になる。この交際の申し込みをどう捉えればいいのかわからない。

「先ほどの私の話は、聞こえなかったのでしょうか?」

「俺の人柄にいい印象はなく、異性として興味はないという話は聞いていた」

(それならどうして付き合えると思うの? そもそも最初は恋愛目的で近づいてきたんじゃないかと警戒していたんでしょ? もしかして私、地球外生命体と話しているのかな)

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