俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
「ウェブにシフトしている時代に販促イベント? 高齢者層ならまだわかるけど若い世代になんて。どこが新しいというのよ。古すぎて一考の価値もないわ」

その批判は想定内なので焦りはなく、淡々と反論する。

「お言葉ですが、若者にイベントは無意味だと決めつける考え方が古いです。皆さんに見ていただきたいデータがあります」

梨乃は自分のノートパソコンとプロジェクターを接続した。

先週、時間を見つけて部署内の共有ファイルにあった過去のマーケティングデータを閲覧した。

大体が梨乃の想像の範囲内で驚くようなデータはない。大企業のクライフといえども他の保険会社と課題は変わらないのがわかった。

若い世代の保険加入率を上げるにはどんなアプローチをすればいいのか。このミーティングで話し合った課題についても前に勤めていた会社と同じだ。

それで梨乃は考えていた。若い世代いはウェブだと決めつけ、比重をそればかりに傾けたアプローチは間違いではないかと。

対面での直接の営業や勧誘目的のイベントといった古い手法を、完全に捨てるのはもったいない。

共有ファイルにあった過去のデータをスクリーンに表示した。

「二十代の保険加入者の自社アンケート結果です」

加入のきっかけの一位は親の勧めで、二位が身近な人の病気やケガだ。三位が職場の上司や先輩の勧めとなっていて、四位が保険セールス員による職場訪問である。

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