俺様CEOは激愛の手を緩めない~人生どん底のはずが執着愛で囲い娶られました~
実家で家族とおせち料理を食べている話をしていると、弟が「まじで?」と呟いた。

兄も両親も驚いた顔で梨乃に注目している。

(どうして? あっ、そうか)

自社のCEOに交際を申し込まれた話を信じる気になったようだ。

黒見が電話をくれてよかった。そのおかげで兄弟からバカにされずに正月を過ごせそうな気がした。



それから二日が経ち、梨乃は黒見とふたりでニューヨークに降り立った。

黒見が自費で飛行機のチケットを購入してくれたので梨乃までファーストクラスだった。

ひとり旅では入国審査待ちの列に長時間並んだというのに、ファーストクラスだと少しも待たされなかった。

セレブ気分を味わわせてもらったが、社員として同行しているという立場はわきまえている。

(せっかく連れてきてもらったんだから、なにか掴んで帰らないと)

ニューイヤーイベントの視察に気合を入れている。

ジョンFケネディ国際空港を出たのは十時過ぎで、タクシーで宿泊予定のホテルに寄ってフロントに荷物を預けてから再びタクシーに乗り込んだ。

これから向かうのはクライフ米法人の本社である。

その予定は一昨日の電話で聞いているので冬物のコートの下はすでにオフィススーツ姿だ。

黒見も黒いコートの下にいつものダークグレーのスーツを着ている。

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