死の投票
教室の空気はさらに張り詰めた。スマホの画面には、飯島隼人、一ノ瀬愛結、岩崎結衣……クラス全員の顔と名前がずらりと並ぶ。



『今日の投票を始めてください――』



誰もが指を震わせながら画面に触れる。だが、誰もが心の中で叫んでいた。誰も犠牲にしたくない、でも投票しなければ自分が……。



小林杏奈が静かに口を開いた。


「これ、誰が始めるの?」


「俺がやる」近藤大樹が覚悟を決めたように言った。


彼はゆっくりと画面をスクロールし、誰かの名前を選ぼうとした瞬間、スマホが突然震えた。
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