幼なじみは狐の子。〜幼なじみと転校生の溺愛〜
さて、いよいよ恋の誕生日。
恋がお洒落して駅の前の日時計で待っていると、先に美風が現れて、恋の座っているベンチの前に立った。
「新田さん、駒井に言われて来たよ。」
美風が微笑んで言った。
「上野を断って、僕とだけ行ってくれれば良いのに。どうして今日は3人でなの?」
「それは……」
「恋!」
声がして遠くの方を見ると、宗介がこちらに向かってやって来て居るところだった。
恋は、立ち上がって宗介を迎えたが、こちらに着いた宗介はそっけなかった。
「駒井に言われて来た。樋山は良いよ、来なくて。」
宗介は言った。
「僕たち2人、付き合ってるから。余計なんだよ、お前。」
美風はそれを聞いても、余裕の表情を崩さない。
美風が言った。
「誰かさんの頼みをうまく断れなかった新田さんが、僕という本命を連れて今日遊びに行くんだ。新田さん、上野なんかに同情してないで、早く断りなよ。」
「同情されたのはお前だろ。ああ嫌だ嫌だ。勘違いのイカレ野郎。恋、お前が優柔不断なのが悪いんだからな。」
恋は困り笑いをして、さっきから人目を引いているかっこいい男の子2人を見比べた。