幼なじみは狐の子。〜幼なじみと転校生の溺愛〜
駅からのバス停で、恋達は、切符を確認してから、バスに乗り込んだ。
「新田さん、座って。」
座席を見つけてきた美風が恋を窓際に座らせた。
「新田さんはお姫様だよ。僕が傅いてあげるから。」
「恋。」
宗介が言った。
「そいつが見つける前に、座席位一人で見つけたら?。そうやってぼけっとしてるんじゃ先が思いやられる。」
「ああ嫌だ。せっかくの誕生日に小言言う奴。新田さん、上野なんか気にしないで、今日はうんと楽しもうね。」
「恋の誕生日に樋山が付いてくるなんて思わなかった。せっかく家でケーキ作って祝ってやろうと思ってたのに。樋山が居るんじゃ、遊園地でも今日はどうなっても僕は知らないから。」
「新田さんの晴れの日だから僕が一緒に来るに決まってる。当然だよ。今日はおめでとう、新田さん。」
「樋山くんありがとう。宗介も。」
美風は恋の前の席の手摺を掴んだまま、隣で黙っている宗介に比べよく喋った。