元婚約者様、その子はあなたの娘ではありません!
「でも、私は」

「今のおまえは、昔とは違う。
 あの男も誤解だなんだと言っていたではないか。
 なにやら説明する気はあるようじゃから、話くらい聞いてやってもよかろう。
 今のおまえの目で、物事を見極めるのじゃ。
 そうした上でまたここに戻るというのなら、そうすればよい。
 その時は儂も止はすまいよ」

 そういえば、誤解ってアロイスは言っていた。
 なにがどう誤解なのかはわからないが、誤解しているのなら説明してもらわなくてはいけないだろう。

「おばあちゃん……なんで娘のフリなんかしたの?」

「可愛い孫娘を傷つけた男じゃからな。
 少しお仕置きをしてやろうと思ったのじゃ」

「単純に面白がってるだけじゃない?」

「そんなことはないぞ。わはははは」

 とても長く生きているオルガは、こういった悪戯が大好きなのだ。
 面白がっているが、同時に私のためというのも本当なのだと思う。

「儂はしばらく娘のふりを続けるからな。
 おまえも話を合わせるんじゃぞ」

「わかったわよ……」

 私は溜息をついて、中断していた薬草の収穫を始めたのだった。
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キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。 両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。 ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。 その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。 逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族の物語です。 8時と20時に更新します。 他サイトでも投稿しています。

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