社内では秘密ですけど、旦那様の溺愛が止まりません!
***
亮くんの発表を聞きながら、私の手は震えっぱなしだった。手を握るが、緊張して指先まで冷たくなるのがわかる。
彼の発表が終わり、浅賀亮ではなく“稲木亮“としての自分を明かした瞬間、彼の緊張まで私に伝わってくるようだった。
彼は今まで跡を継ぐための修行として一般社員と同じように働いていた。そんな自分の身分について隠していたことを正面からきちんと謝っている姿はとても好印象に思えた。驚くべき発表にもかかわらず、今まで彼が地道にしてきたことが認められたかのように拍手が湧き起こると私の‘目から涙がこぼれ落ちた。彼を誇らしく思う。
彼が壇上から降りるまで拍手は鳴り止まず、その様子に彼も少し目を赤くしているのがわかった。
あぁ、今日で“浅賀“は終わりなんだ、と思うと今までの3年間が不意に思い出され、ほんの少しだけ寂しく思ってしまう自分がいた。でももう戻ることはできない。これからは“稲木“で進んでいくのみだ。
みんなに続き廊下に出ると、遠くに亮くんの姿が見えた。周りには執行役員や役職付きの人に囲まれている。これからはこれが日常になるのだろう。彼がいくら望んでも今までと同じように開発部にだけいるわけにはいかなくなるだろう。ふとそんな距離感を思い浮かべていると、彼は周囲に何かいうとこちらに向かって歩いてきた。
え?!
「小春、どうだった?」
周囲がその様子に唖然とし、私たちを食い入るように見つめてきた。
亮くんは長い髪をかきあげ、先ほどまでかけていた黒縁メガネを胸ポケットにしまう。
私には見慣れた彼だが、その姿を見て悲鳴のような声が聞こえてきた。
「ちょっと、亮くん!」
焦って小さな声を出すが、彼は気にするそぶりもない。周囲の空気が一瞬にして張り詰めたのを感じる。
「とうとう稲木亮に戻った。今まで待たせて悪かった。これでもう堂々とできる」
私が言葉を失っているとみんなの前で彼は言った。
「これからもずっと隣で笑っていて。小春が笑っていられるように俺も今まで以上に頑張るよ」
そういうと私の頭を撫でる。私はさっきから涙が出ては止まり、を繰り返している。
「お前たち、もしかしてそういう関係なのか?」
その様子を見て神谷くんが驚いたように、そして伺うように声をかけてきた。亮くんは満面の笑みを浮かべ私の手を取ると大きく頷く。
「これはプライベートなことだからさっき言わなかったけど、俺たち結婚してるんだ」
えぇーーー!
神谷くんだけでない。亮くんの声が聞こえた人たちからの驚きの声が廊下に響き渡った。
亮くんの発表を聞きながら、私の手は震えっぱなしだった。手を握るが、緊張して指先まで冷たくなるのがわかる。
彼の発表が終わり、浅賀亮ではなく“稲木亮“としての自分を明かした瞬間、彼の緊張まで私に伝わってくるようだった。
彼は今まで跡を継ぐための修行として一般社員と同じように働いていた。そんな自分の身分について隠していたことを正面からきちんと謝っている姿はとても好印象に思えた。驚くべき発表にもかかわらず、今まで彼が地道にしてきたことが認められたかのように拍手が湧き起こると私の‘目から涙がこぼれ落ちた。彼を誇らしく思う。
彼が壇上から降りるまで拍手は鳴り止まず、その様子に彼も少し目を赤くしているのがわかった。
あぁ、今日で“浅賀“は終わりなんだ、と思うと今までの3年間が不意に思い出され、ほんの少しだけ寂しく思ってしまう自分がいた。でももう戻ることはできない。これからは“稲木“で進んでいくのみだ。
みんなに続き廊下に出ると、遠くに亮くんの姿が見えた。周りには執行役員や役職付きの人に囲まれている。これからはこれが日常になるのだろう。彼がいくら望んでも今までと同じように開発部にだけいるわけにはいかなくなるだろう。ふとそんな距離感を思い浮かべていると、彼は周囲に何かいうとこちらに向かって歩いてきた。
え?!
「小春、どうだった?」
周囲がその様子に唖然とし、私たちを食い入るように見つめてきた。
亮くんは長い髪をかきあげ、先ほどまでかけていた黒縁メガネを胸ポケットにしまう。
私には見慣れた彼だが、その姿を見て悲鳴のような声が聞こえてきた。
「ちょっと、亮くん!」
焦って小さな声を出すが、彼は気にするそぶりもない。周囲の空気が一瞬にして張り詰めたのを感じる。
「とうとう稲木亮に戻った。今まで待たせて悪かった。これでもう堂々とできる」
私が言葉を失っているとみんなの前で彼は言った。
「これからもずっと隣で笑っていて。小春が笑っていられるように俺も今まで以上に頑張るよ」
そういうと私の頭を撫でる。私はさっきから涙が出ては止まり、を繰り返している。
「お前たち、もしかしてそういう関係なのか?」
その様子を見て神谷くんが驚いたように、そして伺うように声をかけてきた。亮くんは満面の笑みを浮かべ私の手を取ると大きく頷く。
「これはプライベートなことだからさっき言わなかったけど、俺たち結婚してるんだ」
えぇーーー!
神谷くんだけでない。亮くんの声が聞こえた人たちからの驚きの声が廊下に響き渡った。