社内では秘密ですけど、旦那様の溺愛が止まりません!
その夜。
玄関の鍵が回る音と同時に、「ただいま」じゃなくて、「……今日もバレなかったな」。

「おかえり、亮くん」

「ただいま、小春」

スーツを脱ぎながら、彼がぽつりと言葉を漏らす。

「昼の噂、聞いた?」

「うん、ちょっと。浅賀くんのお弁当が“女子力高い”って」

「だろうな……だって、作ったの女子だし」

「ふふっ、私のせい?」

「責任取って。明日はハートじゃなくて……そうだな、俺の名前でも入れてくれ」

「えっ、まさかの“りょう”の海苔文字!?」

「……冗談。バレるに決まってるだろ」

2人で顔を見合わせて笑いあう。
会社では“浅賀くん”と“渡辺さん”。
家では、ただの亮と小春。
たったそれだけの違いなのに、胸の奥のあたたかさは全然違う。

——これが、私たちの“秘密の夫婦生活”。
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