Powdery Snow
「お前だって、ずっと男といんじゃねぇかよ」
「一緒に居るのは幼馴染だよ。でも弘人は違うじゃん。彼女じゃないの?もし違うかったとしても身体を重ね合うだけの仲なんでしょ…」
つい張り上げてしまった言葉に〝しまった″と思った。
慌てて口元に手を当てて弘人から目線を逸らし地面へと向ける。
このピリピリとした空間と同じく頬に冷たく突き刺さった風に痛さを感じ、目の前に居る弘人からの重いため息が流れ込む。
「お前そんな事、思ってたんだ」
ボソっと呟かれた言葉に否定したくなった。
そのまま〝違う″って言葉を出せないまま弘人の口だけが進んでいった。