王子は完璧少女に甘すぎる
「あたし・・・・・・羅翔くんが、好きっ・・・・・・でも、莉緒ちゃんは何も悪くなかった・・・・・・」

蔵四季ちゃんはそう言いながら涙を流していた。

私は一歩ずつ蔵四季ちゃんに近づいた。

「大丈夫だよ・・・・・・」

そう言いながら私は蔵四季ちゃんの頭に手をおいた。

「あたしっ・・・・・・莉緒ちゃんに酷いことっ・・・・・・」

「・・・・・・今さらかよ」

蔵四季ちゃんの言葉に小さな声で鷲が呟いた。

い、いくらなんでも・・・・・・それは・・・・・・。

「私はずっと自分に自信ないの」

「ぇっ・・・・・・?」

私がそう言うと蔵四季ちゃんは驚いたような顔をしながら目に涙をためて私を見つめた。

「こんな私なのに羅翔はこんなに愛してくれてる。私なんかがって・・・・・・思って・・・・・・蔵四季ちゃんが羅翔に近づいた日に私は蔵四季ちゃんが羅翔の横にいるほうが相応しいって・・・・・・思った」

・・・・・・でも・・・・・・。

「でも・・・・・・私も羅翔が好きだから・・・・・・蔵四季ちゃんに負けるって分かってても諦めない、かな・・・・・・?」

私は蔵四季ちゃんの心の負担にならないように笑った。

でも、どうしてか蔵四季ちゃんはもっと涙を流した。

「私、自分の恋人がこんな綺麗な子に愛されてるって誇れるよ・・・・・・だからこそ、私より可愛い子に負けないくらい羅翔に相応しくなれるように頑張るから・・・・・・蔵四季ちゃんも頑張って・・・・・・!」

「っ・・・・・・」

私がそう言い切ると、蔵四季ちゃんは泣きながら廊下を走っていった。

蔵四季ちゃんが走っていったのをぽかんと見ていると、羅翔が私に近づいた。

「俺の可愛い莉緒」

そう言いながら羅翔は私を抱きしめた。

私の顔がみるみる赤く染まったのはきっと気のせいなんかじゃない。
< 148 / 161 >

この作品をシェア

pagetop