セレナーデ
扉から顔を出す。分かったから、その宝石みたいな瞳をしまってほしい。

「わかった」
「じゃあ昼までは家にいよう」

とことこ、と部屋に入ってきた一望が私を見て、静かに顔を寄せた。それをすぐに避ける術が見つからず、唇を重ね合う。

この人は、出会ってからずっと、スマートな紳士だ。

飽きるくらいにキスを重ねて、気付いたときには押し倒されていた。

「あ、ごめん。あっち行こう」

ハッと我に返ったような顔をして、わたしを抱きかかえて一望の部屋へ連行した。
久々に見る天井の色。

「シーツ、洗ってくれてありがとう」

そう言いながら、わたしに覆いかぶさる獣。

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