セレナーデ

仕事終わりにご飯に誘われるなんて、ザラにあるんだろう。そうしてコミュニケーションを取る方が容易い。

「毎日海藻を食べる生活は御免かも」
「僕も同じことを考えてた。朔子が一人で出てきてくれて良かった」
「え、今同じことだった?」
「同じだったよ。夕飯は筍ご飯にしたよ」
「山の幸……」

喜ばしいことだ。

漸く車は会社の駐車場を出る。守衛さんとすれ違い、会釈をされた。
心做しか、いつもよりニコニコしているような。

「途中で買ったお菓子、差し入れしといた」

一望が言ったので、守衛さんを二度見してしまった。既に買収されていたらしい。

< 23 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop