セレナーデ
曾祖母がロシアの人らしく、瞳の色が青みがかっている。一望がこちらを覗き込んだ。
「食べないから、ほら……指輪直しに行こうよ」
わたしの左手薬指につけられていない指輪へ視線を落とす。
最初にくれた時より細くなってしまって、指から抜けることが多くなったので、指にするのは止めた。
「いや、また太るかもしれないし。そんな時間ないし。ちゃんとつけてるよ?」
首にかけていたチェーンを服の中から取り出す。
ぷらーん、と指輪がぶら下がっている。
納得いっていない様子で一望が何か言おうと口を開くので、わたしは違う話題を振った。