敏腕エリート部長は3年越しの恋慕を滾らせる
入浴と夕食を済ませた美絃は、翌日彼が着ていくYシャツのアイロンがけをする。
誠二はリビングのソファに横たわり、スマホゲームをしているようだ。
「ねぇ、誠二くん」
「……ん?」
スマホに視線を固定したまま返事だけする誠二。
美絃はアイロンがけする手を止め、小さく息を整える。
「今年の夏休みにね、両親が泊まりに来ないか? って言ってるんだけど、どう?」
「……」
「北海道だからここより涼しいし、連休じゃないと行けない距離だし……」
「はぁ、またそんな話かよ」
あからさまに溜息を吐いた彼は、横になっている体を起こして、眉間にしわを寄せた。
「別に大学卒業したてとかでもねーんだし、そんな頻繁に親に会いたいわけ?」
「そういう意味じゃなくて」
「じゃあ、何? 俺にへこへこ頭を下げさせたいとか?」
「そんなんじゃなくて……」
(付き合って二年くらいだし、同棲し始めて一年が経ったから、一度くらい会ってくれたっていいのに。世の中、同棲する前に親に許可取ってくれる彼氏だっているよ)
「先に寝るな」
「え、あっ……」
彼はさっさと寝室へ行ってしまった。
(あいつの親に会ったら、絶対結婚の話を出して来るに決まってんじゃん! マジで勘弁なんだけど)
(またはぐらかされちゃった)
親から『同棲してるなら、彼氏を紹介しなさい』と再三言われ続けていて、毎回言い訳を探すのも苦労している。
北海道函館市に実家がある美絃は、観光がてら親に会わせようと思っているのだが、彼は頑なに拒み続けている。
今住んでいるこのアパートの住所ですら、両親に教えることができず。
荷物を送りたいからという両親の言葉を断って、同じ都内に住んでいる弟のアパート経由で仕送りの荷物を受取っているのだ。
「函館……良いところなのにな……」
地元の景色を思い浮かべながら、誠二のYシャツに指を滑らせていた。
誠二はリビングのソファに横たわり、スマホゲームをしているようだ。
「ねぇ、誠二くん」
「……ん?」
スマホに視線を固定したまま返事だけする誠二。
美絃はアイロンがけする手を止め、小さく息を整える。
「今年の夏休みにね、両親が泊まりに来ないか? って言ってるんだけど、どう?」
「……」
「北海道だからここより涼しいし、連休じゃないと行けない距離だし……」
「はぁ、またそんな話かよ」
あからさまに溜息を吐いた彼は、横になっている体を起こして、眉間にしわを寄せた。
「別に大学卒業したてとかでもねーんだし、そんな頻繁に親に会いたいわけ?」
「そういう意味じゃなくて」
「じゃあ、何? 俺にへこへこ頭を下げさせたいとか?」
「そんなんじゃなくて……」
(付き合って二年くらいだし、同棲し始めて一年が経ったから、一度くらい会ってくれたっていいのに。世の中、同棲する前に親に許可取ってくれる彼氏だっているよ)
「先に寝るな」
「え、あっ……」
彼はさっさと寝室へ行ってしまった。
(あいつの親に会ったら、絶対結婚の話を出して来るに決まってんじゃん! マジで勘弁なんだけど)
(またはぐらかされちゃった)
親から『同棲してるなら、彼氏を紹介しなさい』と再三言われ続けていて、毎回言い訳を探すのも苦労している。
北海道函館市に実家がある美絃は、観光がてら親に会わせようと思っているのだが、彼は頑なに拒み続けている。
今住んでいるこのアパートの住所ですら、両親に教えることができず。
荷物を送りたいからという両親の言葉を断って、同じ都内に住んでいる弟のアパート経由で仕送りの荷物を受取っているのだ。
「函館……良いところなのにな……」
地元の景色を思い浮かべながら、誠二のYシャツに指を滑らせていた。