アーサ王子の君影草 下巻 ~約束の箱庭にて、再び~
「シュサイラスア大国 国王、ライオネル陛下の名において、貴方様をお迎えに上がりました」
その言葉にブラッドフォードは僅かに目を細める。懐かしい響き。変わらぬ礼節。
「出迎え、痛み入ります」
短く返し、小さく頷いた。
「陛下も、お会いできる日を心よりお待ちでした」
コルトの一言に、表情がやわらぐ。
「……有難う御座います」
ブラッドフォードの声音には確かな温度があった。
彼の案内に従い、停車場を後にする。馬車へと乗り込み、王都───風樹の都を進む。
窓の外には、人々の営み。賑わう街並み。光を受けてきらめく石畳。どれも、見覚えのある景色。だが同時に───
(あの頃の自分とは、違う)
地下で過ごした年月。光の届かぬ場所で、それでも希望を灯し続けた日々。その全てが、今も胸にある。
「まもなく王宮へ到着いたします」
コルトの声に、静かに意識を戻す。
ブラッドフォードは視線を外し、前を向いた。その眼差しは、穏やかで揺るがない。
馬車はゆったりと減速するとぴたりと動きを止めた。降り立ったブラッドフォードは王宮の門をくぐり、静かな中庭へと入っていく。だが、ほんの一瞬だけ歩みを止め、目の前に広がる白亜の王宮を見上げた。
高く、静かに佇むその姿は、記憶の中と変わらない。
(漸く……ここに来れた)
ブラッドフォードが小さく息を吐くと、満を持してコルトが一歩前に出る。
「こちらです」
その言葉にブラッドフォードは僅かに目を細める。懐かしい響き。変わらぬ礼節。
「出迎え、痛み入ります」
短く返し、小さく頷いた。
「陛下も、お会いできる日を心よりお待ちでした」
コルトの一言に、表情がやわらぐ。
「……有難う御座います」
ブラッドフォードの声音には確かな温度があった。
彼の案内に従い、停車場を後にする。馬車へと乗り込み、王都───風樹の都を進む。
窓の外には、人々の営み。賑わう街並み。光を受けてきらめく石畳。どれも、見覚えのある景色。だが同時に───
(あの頃の自分とは、違う)
地下で過ごした年月。光の届かぬ場所で、それでも希望を灯し続けた日々。その全てが、今も胸にある。
「まもなく王宮へ到着いたします」
コルトの声に、静かに意識を戻す。
ブラッドフォードは視線を外し、前を向いた。その眼差しは、穏やかで揺るがない。
馬車はゆったりと減速するとぴたりと動きを止めた。降り立ったブラッドフォードは王宮の門をくぐり、静かな中庭へと入っていく。だが、ほんの一瞬だけ歩みを止め、目の前に広がる白亜の王宮を見上げた。
高く、静かに佇むその姿は、記憶の中と変わらない。
(漸く……ここに来れた)
ブラッドフォードが小さく息を吐くと、満を持してコルトが一歩前に出る。
「こちらです」