野いちご源氏物語 四三 紅梅(こうばい)
「年寄りの思いどおりになるつもりはない。(ちち)大臣(だいじん)に気づかれないよう気をつけて、(みや)御方(おんかた)に私の気持ちをお伝えしておくれ」
何度も(ねん)()しなさる。
若君(わかぎみ)も宮の御方には(あこが)れの気持ちがある。
<二番目の姉君(あねぎみ)とは父君(ちちぎみ)だけ、宮の御方とは母君(ははぎみ)だけが同じで、どちらも片方だけのつながりだけれど、姉君とはふつうの姉弟(きょうだい)のような気がする。私に気をお許しになっているから、お姿を見ることだってできるくらいだ。

それに比べて宮の御方は(つつし)み深くていらっしゃる。重々しくて理想的なお人柄(ひとがら)なのだから、こちらを匂宮(におうのみや)様の奥様にしてさしあげたい。もっと言えば、本当は東宮(とうぐう)様のお(きさき)様になっていただきたかったのだ。一番目の姉君でもあれほど愛されていらっしゃるのだから、宮の御方が入内(じゅだい)なさっていれば、それ以上に愛されなさっただろうに。
どなたも私の姉君ではあるけれど、やはり宮の御方がぱっとなさらないままなのは(くや)しい。せめて匂宮様とご結婚していただきたい>
おふたりの仲介(ちゅうかい)役ができることをうれしく思っている。
< 13 / 18 >

この作品をシェア

pagetop