愛しているのは私だけ⋯⋯
一体、どれだけの間、そうしていただろう。

突然のインターホンの音に、びくりとする。

こんな時間に、誰⋯⋯?

しかも、かなりしつこく鳴るので、怖い。

恐る恐る、モニターを見てみると、ずぶ濡れの上杉さんの姿が。

「上杉さん!?」

「瑤ちゃん!開けて!」

何が起きているのかわからないが、私は慌ててオートロックを解除した。

そして、部屋のドアを開けると、目の前の上杉さんは、モニターで確認した以上に、頭から爪先までびしょびしょだ。

「ちょっと⋯⋯そんな姿じゃ風邪引いちゃうから、早く入って!」

「そんなこと、どうだっていいんだ」

男物の服などないし、どうしたらいいだろう⋯⋯と考えた結果、

「上杉さん、お風呂で温まってて。その間に、洗濯と乾燥も済ませておくから」
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