愛しているのは私だけ⋯⋯
「今、そんな悠長なことは⋯⋯」

「ダメよ!風邪は万病のもとなんだから」

強引に、上杉さんをバスルームに連れて行くと、スピードコースで洗濯し、乾燥機も回した。

一体、どうしたというのだろう?


暫くすると、乾燥機の終了する音がしたので、

「ここに服、置いておくからね」

そう言って、私はソファで待っていた。

「瑤ちゃん⋯⋯」

「髪がまだ濡れてるじゃない」

「そんなのいいよ!」

上杉さんは、私の腕を引き寄せると、そのまま強く抱きしめた。

「上杉さん⋯⋯?」

「瑤ちゃん、どうしちゃったんだよ⋯⋯?」

それはこっちの台詞だ。

「上杉さんこそ、なんでそんなずぶ濡れなの?車は?」

「このあたり、停める場所ないから、クロスバイクで来たんだ」

「こんな土砂降りなのに、どうして⋯⋯」

「どうしても何も、急にあんなこと言われて、放っておけるわけがないだろう?」
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