愛しているのは私だけ⋯⋯

頭の中で一生懸命、上杉さんの言葉を理解しようとするけれど、頭も心もついていかない。

「出会った頃、瑤ちゃんはまだ１８になって間もなかったからさ⋯⋯。７歳も年上で社会人の僕が、まだ学生の女の子に夢中になったりしたらいけない気がしてた。だから、大人ぶって見せて、敢えて告白もしなかったんだ」

そっと顔を上げて、大好きな人を見つめる。

「でも、その結果、瑤ちゃんから告白させて、挙げ句の果てには、こんなに悲しませるなんて、ホントにダメな大人でごめん」

言葉を探す私に、上杉さんは、

「もっと素直になって、シンプルに伝えたらよかった。きっと、瑤ちゃん以上に、僕は瑤ちゃんのことが好きだよ」

「うそ⋯⋯」

「僕が嘘つきじゃないことは、瑤ちゃんがよくわかってるだろう？ただ、素直になれなかったけど⋯⋯」

そう告げた上杉さんの頬は、燃えるように赤くなっている。