君の隣で
教室に入ると、すでに賑やかな声が響いていた。


机の上に広げられたお菓子、笑い合う友達、


そして黒板には、昨日のまま残った「明日プリント提出!」の文字。


「おはよう、紗凪!」


明るく声をかけてきたのは、隣の席の葉月。


短い髪を揺らしながら、にこっと笑う。


「おはよう、葉月。今日も元気だね」


「当たり前! 昨日のドラマ見た? やばかったよ〜!」


紗凪はくすっと笑って、カバンから教科書を取り出した。


こうして笑い合う時間が好きだった。


平凡で、穏やかで、何も変わらない毎日。


―――そう、“何も変わらない”はずだった。


「ねえ、聞いた? また“能力者暴走事件”があったって」
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