再会は小さなぬくもりと一緒に
そして時間が遅いということで、一緒に駅に向かうことになった。
「えっと、こっちの路線でいいの?」
「あ、はい。こっちの下りで何とかギリギリ都内の場所です。伊賀上さんは?」
「俺は反対方向で横浜なんだよね。乗り換えで運良く快速に乗れればすぐなんだけどさ、一限目だと朝のラッシュがめんどくさいんだよね」
「へえ、大学はどちらですか?」
「あぁ言ってなかったっけ?この近くだよ」
祖父宅の周りは大学のキャンパスがいくつかある。それこそ有名大学からそうでない大学まで。
だからなのか、有名な予備校も多く集まっている地域で、うちから通えて祖父の家にも近いという理由でここの予備校に通っていたのだ。
「今年からキャンパスがこっちになったからさ、囲碁が打ちたくなった時にお邪魔させて貰ってるんだ。先生強いから楽しくてね」
「へえ、そうなんですね」
「だからいつか、ご家族にも会えるかなって思ってたんだよね。特に肇先生、孫が近くに来たって嬉しそうにしてるから、どんな子なのか気になってたんだ」
いやぁ期待させといて、流石に私は平凡すぎではないだろうか。ちょっと苦笑いする私を、彼は優しい笑みで見下ろしている。
「じゃあ僕、向こうの上り電車だけど、大丈夫?」
「あ、はい。ありがとうございました」
何となく彼との別れが名残惜しい。
何か言いたいが言葉が出てこずに、じっと顔を見つめていた。
すると彼は目を細めて、こう言った。
「もしよかったらだけど、連絡先交換しない?」
「えっ……」
「ほらさ、あの猫のこと、気になっちゃって」
少し俯きながら頭を掻く仕草が、何だかさっきのかっこいいイメージとは違い、少し可愛く思った。
「じゃあ明日、また送りますね」
そして私は彼と連絡先を交換して別れた。
男の人とこんな風に話すことは初めてで、いつまでも大きな心音が頭に響いていた。
「えっと、こっちの路線でいいの?」
「あ、はい。こっちの下りで何とかギリギリ都内の場所です。伊賀上さんは?」
「俺は反対方向で横浜なんだよね。乗り換えで運良く快速に乗れればすぐなんだけどさ、一限目だと朝のラッシュがめんどくさいんだよね」
「へえ、大学はどちらですか?」
「あぁ言ってなかったっけ?この近くだよ」
祖父宅の周りは大学のキャンパスがいくつかある。それこそ有名大学からそうでない大学まで。
だからなのか、有名な予備校も多く集まっている地域で、うちから通えて祖父の家にも近いという理由でここの予備校に通っていたのだ。
「今年からキャンパスがこっちになったからさ、囲碁が打ちたくなった時にお邪魔させて貰ってるんだ。先生強いから楽しくてね」
「へえ、そうなんですね」
「だからいつか、ご家族にも会えるかなって思ってたんだよね。特に肇先生、孫が近くに来たって嬉しそうにしてるから、どんな子なのか気になってたんだ」
いやぁ期待させといて、流石に私は平凡すぎではないだろうか。ちょっと苦笑いする私を、彼は優しい笑みで見下ろしている。
「じゃあ僕、向こうの上り電車だけど、大丈夫?」
「あ、はい。ありがとうございました」
何となく彼との別れが名残惜しい。
何か言いたいが言葉が出てこずに、じっと顔を見つめていた。
すると彼は目を細めて、こう言った。
「もしよかったらだけど、連絡先交換しない?」
「えっ……」
「ほらさ、あの猫のこと、気になっちゃって」
少し俯きながら頭を掻く仕草が、何だかさっきのかっこいいイメージとは違い、少し可愛く思った。
「じゃあ明日、また送りますね」
そして私は彼と連絡先を交換して別れた。
男の人とこんな風に話すことは初めてで、いつまでも大きな心音が頭に響いていた。