幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜
教室を出た恋が廊下を歩いていくと、物陰に隠れてその後ろをついて行く人が1人。
ついて行くのはうららだった。
うららは複雑極まりない顔をして、段差のある壁から恋の方を窺っていた。
「あら?」
その後ろを通りすがったのは新聞部の伊鞠と桂香だった。
「何してるのかしら。新田さんが……居るわね。後をつけているのは白王子親衛隊長、黃崎うららさん。間違いないわね?。」
「……危険」
桂香が呟いた。
「ほんとにそうね。また新田さんに何かあったら、黒白王子に顔向けができない。今度何かあったら、上野くんも樋山くんもカンカンよ。撮影会も握手会も取りやめになる。新聞部の人気が地に落ちるわ。」
「……ガード」
「助けるべきよ。私達も行くべきね。」
階段を降りる恋の後を、うららと、その後ろに伊鞠と桂香がついて行く。