幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜

 

 



 教室を出た恋が廊下を歩いていくと、物陰に隠れてその後ろをついて行く人が1人。

 ついて行くのはうららだった。

 うららは複雑極まりない顔をして、段差のある壁から恋の方を窺っていた。


「あら?」


 その後ろを通りすがったのは新聞部の伊鞠と桂香だった。


「何してるのかしら。新田さんが……居るわね。後をつけているのは白王子親衛隊長、黃崎うららさん。間違いないわね?。」

「……危険」


 桂香が呟いた。


「ほんとにそうね。また新田さんに何かあったら、黒白王子に顔向けができない。今度何かあったら、上野くんも樋山くんもカンカンよ。撮影会も握手会も取りやめになる。新聞部の人気が地に落ちるわ。」

「……ガード」

「助けるべきよ。私達も行くべきね。」


 階段を降りる恋の後を、うららと、その後ろに伊鞠と桂香がついて行く。




< 51 / 89 >

この作品をシェア

pagetop