幼なじみは狐の子。5〜親衛隊と恋〜
「恋、恋そのシャツ可愛いね!」
美風の家。
広いリビングには、美風と恋と宗介と律と理央と新聞部の先輩達が来ていた。
「新しく買った奴なんだ」
「真っ白でプリントは今風で、おしゃれなTシャツって感じ。」
「私達を呼んでくれるなんて、駒井さんはさすがにお目が高いわね」
「……星見」
「先輩達は、恋と上野くんと樋山くんの写真撮ってくださいよ。私星の写真撮るんで。」
「合点よ。星を見つける黒白王子と姫……三角関係。うーん、今日も良い写真が撮れそうね。」
「駒井は何でいつも新聞作る先輩達を呼ぶんだ」
宗介が忌々しげな顔で言った。
「僕達の事報道して面白がってる。迷惑な先輩達なのに。」
「僕はもう慣れた。」
宗介の言葉に、美風が言った。
「新田さんと記事にされるなら甘んじて受けるよ。抵抗したって無駄だしね。どうせ僕は白男だ。」
「あら、白王子よ。白男じゃなくて。」
「樋山さん、白男っておかしいですよ」
「どうも王子って感覚ないんだよね。白男で良いよ。」
恋が笑うと美風も笑いながら、
「上野、お前は黒男だ。」
と畳み掛けた。
「なんでも良い。僕は。樋山も馬鹿な笑い取ってんなよ。」
宗介が言った。
「ねえねえ暗くなって来たよ。」
理央が言ったので、恋は大きな窓の外を見た。