この恋は偶然?いや運命です!
ロマンスは突然に。
朝晩と昼間の寒暖差がほんの少し秋めいてきた、そんなある日。
希晶大学医学部3年の望月 舞。
彼女は、認知心理学の講義を終えて、スマホの機内モードを解除した。
グループLINEには、10件を超える通知がたまっていた。
『今日、舞はバイトないって、言ってたよね!』
『急遽だけど、合コン来れる?』
『頼むよ、女子があと1人足りないんだって!』
『深月は彼氏とデートだって!
講義が早く終わったのをいいことに、さっさと行っちゃったからさ!
ウチらも、深月の彼氏くらいのイケメン捕まえよう!』
深月は、講義が終わるやいなや、席を立っていた。
「今日はミッチーとデートだから!
迎えに来てくれる頃だから、もう行くね!
またね!
合コンファイト!
ミッチーと同じ大学で同じ学部の人だから、きっと安心だと思うよ!」
深月は、急ぎ足で教室を出ていった。
グレーがかったブルーのプリーツワンピースの裾を揺らしながら。
ワンピースに似つかわしくない、重そうなトートバッグには何が入っているのだろうか。
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