この恋は偶然?いや運命です!
合コンなんて、もちろん参加したことがない。

チラリと、自分の姿を見やる。

今日の服だって、可愛くない。

ボルドーの半袖ニットに、ドット柄スカート。

 黒いエナメル素材のローファー。

 『今日はパスしたい』と何度も思った。

深月のように彼氏がいれば、パスできるのに。

 …………こればかりは仕方ない、か。

友人たちの期待を裏切るわけにもいかず、少し迷う。

結局、舞は渋々返信した。

『……行くよ。

今回だけだよ?』

友人たちのスタンプや歓喜のメッセージが連続で届く。

舞は眉間に皺を寄せたまま、どこか覚悟を決めたように、白のショルダーバッグを肩にかけた。

 その日の夜。

 大学キャンパスの最寄り駅から徒歩3分の居酒屋『灯 - TOMORI -』前。

 提灯の灯りが揺れる中、5人の女子が到着したところだった。

 誰かひとりが迷うと困るので、皆で一緒に行くべき、という話になったのだ。

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