この恋は偶然?いや運命です!
合コンの発起人のひよりが、男性5人グループに向かって、手を振っている。

 もしかして、この人たちか。

「はじめまして!
私たち、希晶大学医学部ですーー!

私、女子側の幹事のひよりです!

 今日はよろしくお願いします!」

ひよりが言うと、ひとりの男の子が進み出た。

グレーのパーカーの下には、ワッフル地の白シャツ。
ジーンズに白のニューバランススニーカー。

ストレートの茶髪に、低い鼻と太い眉。

「楽しみにしてました!

 俺、藤堂 直哉(とうどう なおや)っていいます!
よろしく!

詳しいことは、中で飲みながら話しましょう!」


居酒屋に入ると、騒がしい中でもよく通る声が響いた。

 「10名で18時から予約を入れました、藤堂です!」

 お店の人に告げると、半個室に案内された。

チャラそうに見えて、律儀なんだな、意外と……

舞はそう思った。

 居酒屋の木目の座敷席は、ちょうど良い賑わいで、どこか温かく落ち着く雰囲気だった。

 各々飲み物を頼む。

 名前を如月 隼(きさらぎ しゅん)と名乗った、舞の隣に座る彼。

 「何飲む?
 無理してアルコール飲まなくても、いいんだよ。

 何かあったら大変だ」

ネイビーのニットに白シャツのレイヤード、黒スラックス。

短めの茶髪が整った印象。

舞は思わず背筋を伸ばした。

 物静かに見えるけれど、目の奥に観察力と安心感があることに気づいた。

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